宗教者九条の和
事務局 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町8-7 日本山妙法寺内

「輝かせたい憲法第九条」の願いのもと
すべての自衛隊員の憲法遵守義務の履行を求める
緊急声明


2008年12月 8日

 田母神俊雄氏は、航空幕僚長という航空自衛隊のトップという重要な職責にありながら、「我が国が侵略国家だったというのは濡れ衣だ」とか「(自衛隊が)集団的自衛権も行使できないのはおかしい」などとする論文を発表いたしました。

 また、去る11月11日の参議院外交防衛委員会に参考人として出席し、堂々と「憲法改正」をも主張し、質問の議員が、「集団的自衛権も行使し、武器も堂々と使用したいというのが本音ですね」と迫ると、即座に「私はそうすべきだと思います」と答えていました。

 こうした事態に、自民党幹部の中でも、クーデターを危ぶむ声が出る一方、新聞各紙は、読売、日経を含め、田母神氏が文民統制をまったく理解していないことを厳しく批判いたしました。

 さらに沖縄タイムスにいたっては、自衛隊内の組織的な動きの可能性をも指摘し、「ペンによるクーデター」とも評しております。

 私たちは、文民統制が機能しなかった結果、軍部の暴走を許し、先のアジア太平洋戦争において、アジアの人々など二千数百万人、日本の人々三百数十万人の尊い人命が失われた過去の過ちを決して忘れるものではありません。そのことの最初の第一歩は、政府の方針に従わない軍人の出現であり、その軍人を統制できなかった政府・議会・世論の弱体化でありました。

 先の参議院外交防衛委員会の冒頭で北澤俊美委員長も、同様の趣旨の警告を申し述べられております。

 私たち宗教者は、平和な社会の根幹を揺るがしかねない、今回の田母神前航空幕僚長の一連の憲法違反行為に直面いたし、戦前の過ちを、悪夢を二度と再び繰り返さないため、すべての自衛隊員が憲法第九十九条に記されています「公務員は憲法を擁護し尊重する義務がある」ことを肝に銘じ、日本国憲法及び法令を尊重し履行することを強く求めるとともに、日本国憲法の精神であります「戦争放棄、軍備不保持、交戦権否認」の憲法第九条をさらに輝かせるために、今後も祈り、行動していくことをここに表明いたします。

2008年12月8日
               
宗教者九条の和」呼びかけ人世話役
大倉一美(カトリック東京教区・司祭)
大津健一(日本キリスト教協議会総幹事代行事務取扱・牧師)
小野文b(日蓮宗天龍寺住職)
加藤俊生(真言宗豊山派石手寺住職)
小林 亙(金光教平和活動センター理事長)
松浦悟郎(カトリック大阪教区・補佐司教)
宮城泰年(聖護院門跡門主)
村中祐生(天台宗慈照院住職)
 



事務局 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町8-7 日本山妙法寺内